TPPと英語

別に特に賢くなくても具体的にシミュレーションしてみれば、かう思ひますよね…。
安倍首相や自民党、TPP・改憲賛成派の(似非)保守政党・政治家の支持者も、これがもし「民進党」だつたら毎日大騒ぎするくせにい~。

「英語化」の裏にあるビジネス利権!米国の属国だった日本はこれから植民地になっていく!? ~『英語化は愚民化』著者・施光恒氏インタビュー第1弾! 2016.1.26



記事公開日:2016.3.7地域:東京都 テキスト 動画 独自
(IWJテキストスタッフ・関根かんじ)
※3月3日テキストを追加しました!
※3月3日、岩上安身による施光恒氏インタビュー第2弾を中継しました!動画アーカイブはこちら。


2016/03/03 「英語化」と「グローバル化」を警戒せよ! 大切なのは「翻訳」と「土着化」を通じた国づくり~岩上安身による『英語化は愚民化』著者・施光恒氏インタビュー 第2弾(動画)

 「安倍政権の成長戦略は、外資を日本に呼び込むためのもの。英語化の推進もその一環だ。それが進むと日本人は国語を失い、知のレベルが低下する。20年後には、深く思索することができない、日本語も英語もあやしいグローバル・エリートたちが、国を動かすようになってしまうだろう」──。

 この「恐ろしいシナリオ」を懸念するのは、ベストセラーになっている『英語化は愚民化』の著者で、九州大学大学院准教授の施光恒(せ・てるひさ)氏。2016年1月26日、東京都内で岩上安身のインタビューに応じ、英語化の背景にある、新自由主義による日本の植民地化に警鐘を鳴らした。

 安倍政権が打ち出した「英語教育改革実施計画」では、2020年、小学校5年から英語を正式教科にし、中学・高校の英語の授業はオール・イングリッシュ方式、つまり日本語を禁止し英語だけで授業を行うことを謳っている。この計画について施氏は、英会話を重視するというだけの話では済まず、水面下には、安倍政権が押し進める成長戦略、さらにはグローバリズムという名の大規模な富の収奪戦略が横たわっている、と語った。

 「新自由主義とは学説や思想ではなく、インチキな考え方。新自由主義を掲げる国々は、政治権力を持つ者がどんどん儲かるようにシステムを変えている。安倍政権の成長戦略も同様だ」

 さらに施氏は、「グローバル化とは進化ではなく、中世に逆戻りすること」と断言。中世ヨーロッパでラテン語が理解できる宗教者や貴族が権力を持ったように、少数のグローバル・エリートが英語で会話し、土地に愛着を持たず、好きなように動き回る未来を危惧した。

 「次世代の人間は、英語ができないと学問もできず、いい職にも就けず、収入格差も大きくなって自信を失う。それは、国民を英語階級と現地語階級に分断することにつながる」。

 また、英語化推進の陰にはさまざまなビジネス利権があると指摘した施氏は、TOEFL導入、外国人講師派遣、翻訳業、教育産業など、外資のビジネスチャンスが増える一方で、日本人の日本語能力が下がり、知性が劣化し、文化や学問の面で大きな打撃を受けると主張した。

 施氏は、グローバル化や英語化に反対するとよく「では、鎖国がいいのか」と問われることを明かし、これに対して「国際協調のもとで、資本の海外流出(キャピタル・フライト)を抑え、独自の福祉政策、産業政策をとれるようにすればいい。お互いに守るべき所は守り、国民生活を豊かにする。それが経済の本質だ」と反論した。

 そのうえで施氏は、日本の社会は、もともと職業選択の自由も含めて多様性が豊富だと評価し、「国民の幸福とは、選択の自由があることです」と力説した。

記事目次

後半に続きます。
日本語の危機!?──知を語る「国語」か、卑近な「現地語」になるか

岩上安身(以下、岩上)「英語を母語のように学ぶことには政治的な意味がある、と指摘した本『英語化は愚民化』が大変話題になっています。その著者、政治学者で九州大学大学院比較社会文化研究院の施光恒(せ・てるひさ)准教授をお招きしました。よろしくお願いします。

 施先生の専門は『リベラル・ナショナリズム』の政治理論健全なナショナリズムを土台にしないと、自由主義も民主主義も開花しないということですね。元経産官僚で評論家の中野剛志氏との共著が多いのは、理由があるのですか?」

施光恒氏(以下、施・敬称略)「私は、自由民主主義の根底には『健全なナショナルなもの』がないとまずい、という政治論を研究しています。中野さんは、安定した経済社会を作るためには『健全なナショナルなもの』が必要だと言い、私と考えが近いのです」

岩上「TPPの内容には『公共調達』があり、公共事業などの入札情報は英語で、と求められていますね」

施「これは、かなり大きな問題です。TPP大筋合意の15章に『政府調達』があって、公共事業の仕様書、発注・調達計画の公示は英語表示に努めるべき、となっている。今後は少額の市町村事業でも国際入札になります。仕様書、入札手続きも英語にしなければなりません。そうなると、地方自治体はてんやわんやで、外資系の翻訳業者べったりになるでしょう。情報もダダ漏れです。日本語が、ビジネス、学問、行政分野で使われる『国語』ではなく、生活のためだけの『現地語』になる危険が目前に迫っているのです」

岩上「植民地そのものですね。植民地のようなところでは、本1冊、母国語で読めません。宗主国の言葉を理解しないと一級市民になれないだから、国の独立が果たせない。日本は軍事面でアメリカの植民地状態ですが、今後、魂そのものから植民地になってしまいますね」

施「日本は、その方向にどんどん進んでいます。リベラル・ナショナリズムとは、90年代後半にデヴィッド・ミラー(イギリスの政治学者)や、ヤエル・タミール(イスラエルの政治哲学者。教育大臣を歴任)が唱えた思想で、『自由民主主義の基礎には、国民の連帯意識のような、ナショナルなものが必要だ』としている。ナショナルな言語がしっかりとあり、人々が社会制度に愛着を持っていること。それがないと、自由、平等、民主主義が機能しないという発想です。背景には、新自由主義の台頭への懸念があります。

 リベラル・ナショナリズムは新自由主義に対抗し、富の再配分に際してナショナリズムの必要性を強調しています。恵まれない人々に共感できないと、富の再配分も生ぜず、民主主義国家での平等や福祉が成立しなくなる。そういう熱い連帯意識を作れるのは『ナショナルなもの』しかない、と」

新自由主義は学説ではない。政治権力を悪用した「ビジネス主義」だ


施「新自由主義はインチキな考え方で、学説や思想ではありません。現在、ほとんどの先進国で、小さな政府、規制緩和、民営化と言い、新自由主義がメインストリームです。しかし、どの国でもビジネス利権が政府にあり、政治権力を持つ者がどんどん儲かるようにシステムを変えています。新自由主義は、政治権力を悪用してビジネスをしているのが実態です」

岩上「日本なんて、政治権力の悪用をやりまくりです。株価も、需要と供給からの価格ではなく、年金積立金で釣り上げているようなもの。リベラルでも何でもない」

施「日本は今、デフレで国民が消費をしないから、インフラを切り売りしてやりたい放題です。私が言うリベラリズムとは、自由民主主義に近い。ソーシャル・リベラリズムです。新自由主義では平等も民主主義も無視し、格差がどんどん広がる。昨年、トマ・ピケティ(フランスの経済学者)がアメリカで流行りましたが、政治学では、新自由主義が民主主義を駆逐すると言われています政治家が、国民の声よりグローバル企業や投資家の要望ばかり聞くからです。

 安倍政権の成長戦略は新自由主義そのもの。日本の株式市場には多くの外国人投資家が関わっています。安倍政権の戦略を『グローバルな投資家の歓心を買うための戦略』と解すと、よくわかります。株価を見て政治をやっている。消費税を上げ、法人税は下げる。年金を株で運用する」

岩上「投資家は短期的な利益を得て売り抜ける。だが、将来の心配から国民の消費欲は下がり、内需もどんどん縮小、税収が減る。それで財政が大変だと増税する。これはデフレ進行です。デフレ脱却のために金融緩和でバズーカを撃っても功を奏しない。アベノミクスは、錯誤の果ての完全な失敗です。国民を育てず、蔑ろにし、社会福祉を削減する。泣いている人がたくさんいますよ。アベノミクスとは、グローバルにデフレを続けていくための施策じゃないですか

施「おっしゃる通りです。日本のグローバル企業は、デフレの国内市場で稼がなくてもいい、という姿勢逆に日本の人件費が低い方が、国際競争力が高く保てて都合がいいと考えている。今の財界人は、日本(国民)経済のことはあまり考えていませんね」

岩上「マクロ経済を考えていないのですね。しかし、ミクロ経済が良くても、その集積はマクロ全体に大矛盾を来す『合成の誤謬』(ごうせいのごびゅう)というものがある。これは(経済学者らが)ずっと前から議論してきたことではありませんか」

施「きっと、忘れてしまったんですね」

「アジアの成長を取り込め」と需要を奪い合う、品の悪い帝国主義


施「1945年、ブレトン・ウッズ体制ができました。戦前、資本の国際的移動の自由が国内をデフレにし、帝国主義を増長させ、海外市場の奪い合いで戦争に至った。その反省から、資本の国際的移動に歯止めをかけたのです。それをもとに、戦後、国内の福祉政策や産業政策の自由を担保し、各国は発展しました

岩上「それが『黄金の30年』ですね。日本では高度経済成長です。国民へ富の再分配もでき、国も発展。労働者の生活も改善して良い時代だった。今は人件費を削り、効率化を追い求め、低コスト競争の大量生産で潰し合う。まさに恐慌の典型です」

施「アメリカのレーガン政権、イギリスのサッチャー政権あたりから変わり始めて、90年代になると世界は新自由主義どっぷりに金融ビックバンで資本も動くようになり、各国の経済政策は、自国資本を流出させず、いかに海外投資を集めるかばかりを考えるようになりました。

 まさに、限りある需要を奪い合う帝国主義そのものです。日本の財界人は厚顔無恥に『アジアの成長を取り込め、外に打って出ろ』と言う。非常に品がない。それが帝国主義だという自覚がまったくありません

岩上「外務省の人間は、経済問題で二国間が揉めた時のために、軍事的な背景が必要だと言っています。でも、彼らはアメリカの言うことは聞くんです。(TPPに反対する)東大の鈴木宣弘教授によると、省庁の役人は『アメリカに自分の脇腹を喰われながら、日本も小さな国を喰っていく。これがTPPだ』と説明するそうですよ

施「TPP交渉でも、日本は率先して、マレーシアやベトナムに金融市場の開放や国営企業の民営化を要求しています。しかし、欧米などの先進国は、保護貿易で国内産業を育ててきたんです。だから、途上国にもその権利を認めないとおかしいのに、それはしない

日本を覆う英語化政策。ウォーターフロントに計画される「英語租界」

岩上「日本を覆う『英語化』政策について。安倍政権はクールジャパン推進会議(2014年8月)で英語特区を作るという。これまで安倍総理は、自分の本音を代弁する有識者会議を作り、各省庁の利権をすっ飛ばし、官邸主導で強引に進めてきているので、英語特区もやりかねません

 『グローバル・ランゲージとして英語を活用せざるを得ない環境を体験できるようにし、日本人の英語能力を向上させ、外国人と躊躇なくコミュニケーションできるようにする』として、英語特区内の公共の場では英語限定。視聴できるテレビ番組は副音声放送がある番組に。販売される書籍・新聞は英語媒体。事業者には社内共通語の英語化、社員の語学向上に積極的に取り組むなどの一定条件を満たした場合、税制の優遇措置を図るとしている。

 これは租界です。世界一、外資企業が動きやすい国だとアピールして、外資企業の経営者たちに暮らしてもらおう、ということですね

施「有識者会議での提言なので実現性は疑問ですが、自らが租界を作り、海外から投資を呼び込もうということです。世界の戦略特区もだいたい同じです。特区内の病院は英語使用。また、国際的な大学受験資格を与えるため、国際的標準カリキュラムで教える国際バカロレア(公設民営学校)の計画もある。公営の施設を使い、運営は民間です。今後、英語だけの学校が増える可能性があります

岩上「それは、アメリカの英語産業を参入させるため、儲け場所を日本の税金で用意しましょう、ということですね」

施「そうです。外国人メイドの受け入れも、外国企業の幹部たちが暮らしやすくするための環境整備(安倍政権は)そんなことばかりやっています。英語特区には、品川やウォーターフロントが候補に挙がっていますね」

岩上「その辺りは企業進出がうまくいっていない所です。オリンピック村も誘致していますが、それは一過性ですから。その後は英語特区にして、アジア人ではなくアメリカ人に来てもらいたい、と。植民地根性も甚だしい」

アベノミクスは地域の繁栄につながるのか――浜矩子氏「国民と国家の関係を逆転させるもので壮絶な契約違反」と国家戦略特区を酷評 2014.11.25

日本の大学のレベルは「英語化」で凋落、小学校の英語導入はあやしいエリート集団を生む

施「安倍政権の成長戦略の一環で、グローバル化に対応した英語教育改革実施計画があります。2020年のオリンピックの年から、小学5年以降の英語教育を正式教科にする。中学・高校の英語授業はオール・イングリッシュ方式で日本語使用を禁止する、としています

 大学に関しては、2013年に当時の下村文科大臣が、『2023年までに一流大学では講義の半分を英語にする。数値目標も設定する』と発言した。そうなれば、日本の大学教育のレベルは完全に下がる。卒業論文も高校のレポート程度のものしか書けないでしょう」

岩上「こういうことを押し進める安倍さんや下村さんですが、極右思想の持ち主です。日本の伝統を強調し、靖国神社を崇める歴史修正主義者。そんな人たちが『日本語はいらない、英語にしろ』と言うのは(右派への)裏切りではないでしょうか」

施「安倍さんは保守派というより、単なるグローバリストではないでしょうか。2014年の衆院選で『瑞穂の国の資本主義』と言い、アメリカの強欲主義とは違う優しい資本主義を目指すのだ、と訴えておきながら、3ヵ月後にはTPP参加を表明しました。日本文化の核心である日本語を、現地語に貶める政策を連発する。安倍さんのナショナリズムは歪んでいるか、ナショナリズムではないのかもしれない。

 私は小学校での英語教育実施は、日本そのものを壊すようなインパクトがあると思います。なぜなら、国立や私立の中学入試に英語が加わるようになる。英語での面接やリスニング試験対策に、裕福な家庭は小学生の子どもを語学留学させるでしょう。すでに、日本からシンガポールへの教育移住が流行っているとも聞きます。

 そうすると、日本の中、高、大学の入試は、今後は英語さえできれば何とかなる。文科省も、留学生を呼び込む目的もありますが、一流と言われる大学に英語だけで卒業できるコースを作ろうとしています。そういうコースは倍率が低くなり、東大でも入りやすくなるでしょう。

 しかし、母国語がしっかりしていなければ、外国語の語学力も伴いません。結果的に、20年後には日本語も英語もあやしいエリートが大量に生まれ、そんな人たちが官僚や政治家になって、庶民感覚からズレた政策ばかり作る可能性がある。日本国民も、英語階級と日本語階級に分断されてしまうでしょう。インドやフィリピンの旧植民地と同じです

岩上「植民地には、宗主国を支えて現地民を使役する、帝国の先兵になる階級がいて、自ら植民地を支配する。宗主国にとっては二流民ですが、そういう人間が跋扈するようになりますね

施「それが機能し始めると、その階級の利益で政治が動きます。国民の分断は、さらに顕著になる

進化ではなく退化。グローバル化で世界は中世に戻る


「グローバル化は進歩、近代化だと考えられていますが、中世ヨーロッパ化だとみるべきです。進化ではなく、むしろ退化です。

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